最近では自動車整備士になりたいと思う若者が減っています。
新たにこの仕事に就く人は年々減少している傾向があり、現在は新人の確保に悪戦苦闘しており、たくさんの整備工場で少ない人材を取り合っている状況です。
専門学校では15年ほど前と比べると、入学希望者が半数以上減っているような学校もあります。
現場では人手不足起こっている場所が多く、本来よりも3か月以上長い期間整備を待ってもらうことになっている整備工場もあるほどです。
昔はこの職業に憧れる人が多かったのですが、現在では著しく志望者が減っている理由を知っておくことがおすすめだと言えます。
自動車整備士の志願者が減っている最も大きな理由は、自動車に憧れを持つ若者が減ったからだと言えるでしょう。
以前は若い頃から車に憧れを持つ人が多く、早く働いて自分の車をゲットしたいという夢を持っている人も多かったです。
車好きが高じて自動車関連の仕事を希望する人がたくさんいたと言えます。
けれども、最近は自分の車を持つことに対して憧れる人が少ないです。
車は必要なときにレンタルすれば良いと考えている人もいれば、免許すら不要だと考える人も多くなっています。
住んでいる場所の交通の便が悪くて、仕方なく自家用車を購入する若者も増えており、本当に車が好きな人は減ってきていることを知っておくと良いです。
車好きが減っている理由は色々と考えられますが、これがなくても生活できる便利な世の中になっていること、若者の給与が低くて高額な出費となる車を持つ気持ちになれないことが理由としてあげられるでしょう。
若者の車離れが進んでいると言われることも多いですが、お金が若者離れしていることが原因で興味を持つことができない状態になっていると言えます。
大学に進学する人が増えていることも理由としてあげられるでしょう。
昔は義務教育終了後や高校卒業後すぐに自動車関連会社で働く人が多かったです。
進学して更に知識を身につけるよりも、現場で実際に働いて技術を伸ばす人、早く稼いで車を手に入れようとする人が多かったと言えます。
一方で、現在の若者の多くは大学に進学していますが、これはあらゆる職業において大卒が有利になっていることが関係しているでしょう。
早い時期から働いていた高卒の人はある程度のキャリアしか積むことができなくても、大卒であれば経験年数が短くても役員になれるという企業も多いです。
そうした事情を知っているため、将来のことを考えるとすぐに就職することができないと考える人が多くなっていると言えます。
中卒や高卒では自動車関連会社を就職先の候補に入れる人が多かったですが、大学まで進学したのであれば自動車整備士ではなく開発や研究に携わろうとする人が多いと言えるでしょう。
大学で学ぶ人が増えたことによって、自動車整備士を就職先の候補に入れない人が増えていると理解しておくと良いです。
このような理由から、自動車整備士を志願する人や実際に就職する人が減っていると言えます。
残念な話ではありますが、これから先はますます自動車整備士になりたい若者が減ってしまってもおかしくないです。
若者にも経済的な余裕が生まれる社会になったり、大学を卒業せずにこの仕事に就いても地位が獲得できるようになったりしなければ、志願者数は減り続けてもおかしくないと言えます。
早く働きたい人や車好きの人にとっては人手不足の今がこの仕事に就くチャンスかもしれませんが、現場が悲鳴を上げていることを忘れてはいけません。
人員が不足すると自動車の安全を素早く確保することが難しくなってしまうため、何とかして志願者数を回復させることが望ましいと言えます。