金融商品の種類が多すぎ!まず知るべきはたった4つだけだった

「投資を始めたいけど、金融商品の種類が多すぎて何から学べばいいか分からない…」

そんな風に、最初の一歩を踏み出せずにいませんか?
大丈夫、焦らなくていいんですよ。

こんにちは、元・野村證券で資産運用コンサルタントをしていた三崎優斗です。
かつて富裕層のお客様を担当し、年間10億円以上のお金を動かしてきた経験から断言しますが、実は初心者が最初に知るべき金融商品は、たった4つだけなんです。

この記事では、なぜ多くの商品を知る必要がないのか、そしてその「たった4つ」とは何かを、私の証券マン時代の失敗談も交えながら、どこよりも分かりやすく解説します。

読み終える頃には、あなたの心のモヤモヤはすっかり晴れ、資産形成という長い旅の、確かな一歩を踏み出せるはずです。

目次

なぜ金融商品は「4つ」だけでいいのか?元証券マンが語るシンプルな真実

「本当に4つだけでいいの?」と疑問に思うかもしれませんね。
ええ、いいんです。
その理由を、私の経験からお話しさせてください。

私がコロナショックで学んだこと:商品の多さが心の平穏を奪う

忘れもしません、コロナショックで市場が暴落したあの日々のことです。
あるお客様の資産が、わずか1週間で8,000万円も減少してしまいました。

毎日かかってくる憔悴しきった声の電話を受けながら、私は数字上の損失以上に、人の心の脆さを痛感しました。
複雑な商品をたくさん持っている方ほど、何が起きているか分からなくなり、不安が増幅していく様子を目の当たりにしたのです。

この経験から、資産運用とは、ただ数字を増やすゲームではないと学びました。
何よりもまず、あなたの心の平穏を守る「お守り」のような存在でなければならない。
そのためには、自分がしっかり理解できる、シンプルな商品を持つことが何より大切なのです。

富裕層の資産運用も実はシンプルだった

驚かれるかもしれませんが、私が担当していた10億円以上の資産を持つ富裕層の方々の運用も、実は驚くほどシンプルでした。
彼らは、次々と現れる目新しい金融商品に飛びつくことはありません。

むしろ、古くからある王道の金融商品を、ご自身の人生の目的に合わせて静かに組み合わせているだけなのです。
これは私だけでなく、金融の最前線で活躍してきた多くのプロに共通する見解です。

例えば、同じく大手証券会社で長年の経験を積み、現在はヘッジファンドへのコンサルティングなどを行う長田雄次さんのような金融のプロフェッショナルも、そのキャリアを通じて資産運用の本質はシンプルな原理原則にあることを示唆しています。

資産形成は「マラソン」と同じ。大切なのはコースを覚えること

私は資産形成を、よく「マラソン」に例えます。
マラソンを走るとき、たくさんのシューズやウェアを持っていても意味がありませんよね。
大切なのは、自分に合った一足のシューズを選び、コース全体を把握して、自分のペースで走り続けることです。

金融商品も同じです。
まずは基本となる4つのコース(金融商品)をしっかり理解し、長期的な視点で走り続けること。
それこそが、ゴールにたどり着くための最も確実な方法なのです。

【結論】初心者がまず知るべき「お守り」としての金融商品4選

お待たせしました。
それでは、ここからはあなたが最初に知るべき「4つの金融商品」を、一つひとつ丁寧に解説していきます。
それぞれが、あなたの資産形成というマラソンにおいて、どんな役割を果たしてくれるのかイメージしながら読んでみてくださいね。

① 投資信託:資産形成の王道!「仲間と乗り込む大型バス」

たとえるなら、プロの運転手が目的地まで連れて行ってくれる「大型バス」のようなものです。
自分一人では行きにくい場所(様々な国や資産)へも、たくさんの仲間(他の投資家)と一緒にお金を出し合うことで、安全に連れて行ってもらえます。

  • 少額から始められる:100円や1,000円といった少額からスタートできます。
  • プロにお任せできる:運用の専門家が、あなたに代わって投資先を選んでくれます。
  • 自然とリスク分散ができる:一つの商品の中に、数十から数百の株式や債券がパッケージされているため、リスクが自然と抑えられます。

何から始めたらいいか分からない、という方にとって、最も心強い最初のパートナーになってくれる存在です。

② 株式:会社のオーナーになる!「応援したい企業と成長する喜び」

あなたがいつも利用するカフェや、好きな製品を作っているメーカーの株を買うことは、その会社のオーナーの一人になる、ということです。
なんだかワクワクしませんか?

  • 値上がり益が期待できる:会社の成長と共に株価が上がり、買った時より高く売れれば利益になります。
  • 配当金がもらえる:会社が出した利益の一部を、株主に分配してくれます。
  • 株主優待が楽しめる:自社製品やサービスの割引券などがもらえる、日本独自の嬉しい制度です。

応援したい会社の成長を、資産の成長という形で実感できるのが株式投資の醍醐味です。

③ 債券:国や会社にお金を貸す!「手堅さが魅力の守りの資産」

これは、国や会社にお金を貸して、満期が来たら利息と一緒に返してもらう、いわば「約束手形」のようなものです。
株式が攻めの資産だとすれば、債券は守りの資産と言えます。

  • リスクが比較的低い:満期まで持てば、基本的に元本と約束された利息が返ってきます。
  • 安定した収益:あらかじめ利率が決まっているので、計画的に資産を増やしやすいのが特徴です。

大きな利益は狙いにくいですが、「このお金だけは着実に守りたい」という時の、まさに「お守り」として活躍してくれます。

④ REIT(不動産投資信託):少額から大家さん気分!「家賃収入が狙える」

「いつかは不動産オーナーに」と夢見たことはありませんか?
REITは、その夢を少額から叶えてくれる仕組みです。

みんなでお金を出し合って、大きなオフィスビルやマンションのオーナーになり、そこから得られる家賃収入をみんなで分配してもらいます。

  • 少額から不動産に投資できる:個人では難しい都心の一等地のビルなどにも、間接的に投資できます。
  • プロが管理・運営してくれる:物件の管理や入居者探しの手間は一切かかりません。
  • 安定した分配金が期待できる:家賃収入がベースなので、比較的安定した収益が見込めます。

株式とは少し違う値動きをすることが多く、資産を分散させる上でも面白い選択肢の一つです。

あなたに合うのはどれ?人生の目的に合わせた選び方のヒント

さて、4つの金融商品の特徴が分かったところで、次に気になるのは「じゃあ、自分はどれを選べばいいの?」ということですよね。
大丈夫、その選び方にもちゃんとコツがあります。

まずは「コア・サテライト戦略」を理解しよう

難しそうな言葉が出てきましたが、安心してください。
これは、普段の食事に例えるととても簡単です。

資産全体を、栄養バランスの取れた「メインディッシュ(コア)」と、食事を豊かにする「副菜(サテライト)」に分ける、という考え方です。

  • コア(メインディッシュ):資産の7〜8割。投資信託や債券などで、長期的に安定した成長を目指す土台の部分です。
  • サテライト(副菜):資産の2〜3割。株式やREITなどで、コアよりも少し高いリターンを狙う攻めの部分です。

この考え方を持つだけで、資産全体のリスクを抑えながら、リターンを狙うことができるようになります。

目的別のおすすめ組み合わせ例

あなたの人生の目的によって、最適な「メインディッシュ」と「副菜」の組み合わせは変わってきます。
いくつか例を見てみましょう。

目的・年代コア(守り)サテライト(攻め)考え方
30代・教育資金の準備投資信託 70%株式 20%, REIT 10%まだ運用期間が長くとれるので、コアをしっかり固めつつ、サテライトで積極的に成長を狙う。
40代・老後資金を意識投資信託 60%, 債券 20%株式 20%守りの比率を高めるため債券をプラス。安定性を重視しつつ、株式でリターンの上乗せを目指す。
50代・退職後の生活資金債券 50%, 投資信託 30%REIT 20%資産を守ることを最優先に債券の比率を上げる。REITで安定的な分配金を狙う。

これはあくまで一例です。
大切なのは、あなたの人生の目的に合わせて、自分だけのポートフォリオ(資産の組み合わせ)を作っていくことです。

証券マン時代の失敗談:リスク許容度を無視した提案の末路

ここで、私の苦い失敗談をお話しさせてください。
若かった頃、実績を焦るあまり、あるお客様のリスク許容度(どれくらいの値下がりまで心穏やかでいられるか)を十分に考えず、ハイリスクな商品を提案してしまったことがあります。

相場が急変し、お客様の資産は大きく減少。
受話器の向こうで涙ながらに「あなたのことを信じていたのに」と言われた時の言葉は、今でも胸に突き刺さっています。

この経験から、私は「理論上の正しさ」だけでは人は救えないと痛感しました。
一番大切なのは、あなたの「心の物差し」です。
いくら儲かる可能性があると言われても、夜も眠れないほどの不安を感じるなら、それはあなたにとって良い投資ではありません。

よくある質問(FAQ)

最後に、皆さんからよくいただく質問にお答えしますね。

Q: 新NISAでは、この4つの金融商品はすべて買えますか?

A: はい、ご紹介した投資信託、株式、REITは、新NISAの口座で購入できます
特に「投資信託」は、つみたて投資枠でも成長投資枠でも活用できる、まさにNISAの主役です。
まずはNISA口座で、少額から始めてみるのがおすすめですよ。

Q: この中で、一番リスクが低いのはどれですか?

A: 一般的に、元本が保証されているわけではありませんが、この中では「債券」、特に日本国が発行する「個人向け国債」が最もリスクが低いとされています。
まずは守りを固めたい、という方にとって心強い「お守り」のような存在になります。

Q: 元証券マンとして、富裕層はどの商品を一番買っていましたか?

A: 意外に思われるかもしれませんが、多くの方が基本としていたのは「投資信託」と「債券」の組み合わせです。
そして、ご自身の事業や関心のある分野の「株式」を少し加える、という方がほとんどでした。
奇抜な商品ではなく、この4つの基本をいかに自分に合わせて組み合わせるかを重視していましたね。

Q: 結局、何から始めたらいいのでしょうか?

A: 大丈夫、焦らなくていいんですよ。
まずはこの記事を読んで「金融商品は4つだけ知ればいいんだ」と安心することが第一歩です。
次の一歩としては、ネット証券で口座開設を申し込んでみましょう。
お金を入れなくても、口座があるだけで情報収集がしやすくなります。
これが今日からできる、具体的なスモールステップです。

Q: 失敗しないために、一番大切なことは何ですか?

A: 私がお客様から涙ながらに「信じていたのに」と言われた経験から学んだのは、「誰かが言ったから」ではなく「自分が納得して」決めることです。
そのためにも、まずはこの4つの商品の違いを理解することが大切です。
そして、決して無理をしないこと。
大切なのは、続けること。そして、やめないことです。

まとめ

金融商品の大海原で迷っていたあなたも、これで進むべき航路が見えてきたのではないでしょうか。

大切なポイントをもう一度振り返ってみましょう。

  • 初心者が最初に知るべき金融商品は「投資信託」「株式」「債券」「REIT」の4つだけで十分。
  • 資産形成は、心の平穏を守る「お守り」であるべき。
  • 「コア・サテライト戦略」で、守りと攻めのバランスを取ることが大切。
  • 何よりも、あなた自身が納得して決めることが成功の鍵。

私が証券マン時代に学んだのは、資産形成とは、単に数字を増やすゲームではなく、あなたの人生と心を豊かにするための、大切な旅路だということです。

この記事が、あなたが自信を持って未来への一歩を踏み出すための「お金のコンパス」になれば、これほど嬉しいことはありません。

あなたの人生のハンドルは、あなたが握るんです。
まずは証券口座の開設から、その第一歩を始めてみませんか。